プロパンガスは前年比+6.9%、都市ガスは−0.8%|請求書で確かめる項目
2026年8月の消費者物価で、プロパンガスは前年同月比+6.9%、都市ガスは−0.8%だった。同じガスでも動きが逆になる。請求書のどこを見れば自分の契約が高いか分かるのかを、省令の条文と検針票の読み方で整理する。
都市ガスは下がり、プロパンガスだけ上がっている
総務省の消費者物価指数(2026年8月、全国)を見ると、プロパンガスは前年同月より6.9%高い。都市ガス代は0.8%安く、電気代も2.4%安かった。総合は1.9%の上昇で、プロパンガスはその3倍以上のペースで上がったことになる。
数値を表で見る
| 25/8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 26/1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| プロパンガス | 1.4 | 0.5 | -0.2 | 0.4 | 1 | 1.1 | 0 | -0.2 | -0.3 | 2.5 | 3.9 | 6.5 | 6.9 |
| 都市ガス代 | -5 | 2.2 | 1.3 | 0.9 | -3.9 | -3.6 | -7.9 | -8.1 | -4.9 | -3.9 | -3.2 | -1.1 | -0.8 |
| 総合 | 2.7 | 2.9 | 3 | 2.9 | 2.1 | 1.5 | 1.3 | 1.5 | 1.4 | 1.5 | 1.6 | 1.9 | 1.9 |
グラフを見ると、動き出しは2026年5月だ。4月は−0.3%だったプロパンガスが、5月に+2.5%、6月に+3.9%、7月に+6.5%と3か月で急に上がった。都市ガスにこの動きはない。
プロパンガスは販売店が単価を自分で決める自由料金で、値上げの時期も幅も店ごとに違う。全国平均の+6.9%は、据え置いた店と大きく上げた店が混ざった結果と考えられる。自分の契約がどちら側かは、請求書でしか分からない。
| 区分 | 前年同月比 | 総合との差 |
|---|---|---|
| プロパンガス | +6.9% | +5.0ポイント |
| 都市ガス代 | -0.8% | -2.7ポイント |
| 電気代 | -2.4% | -4.3ポイント |
| 総合 | +1.9% | — |
※ 総務省「消費者物価指数」全国の値。e-Stat のAPIから2026年10月3日に取得。全国平均の動きであり、個々の販売店の単価とは一致しない。
請求書で見るのは「基本料金」「従量単価」「設備費」の3つ
全国平均がいくら上がったかより、自分の契約が割高かどうかのほうが家計には響く。判断に使うのは検針票(請求書)の数字3つだ。
- 基本料金(円/月): 使っても使わなくても毎月かかる額
- 従量単価(円/㎥): 使った量に応じてかかる額。ガスを使うほど総額に効く
- 設備に関する費用: 給湯器やガスメーターなどの貸与、配管の費用が、料金に含まれているか別立てか
総額を使用量で割ると、1㎥あたりの実質単価が出る。たとえば基本料金1,800円、従量単価480円/㎥、使用量10㎥なら、請求は1,800+480×10=6,600円で、実質単価は660円/㎥になる(数字は計算の例で、実在の料金ではない)。基本料金が高い契約は、使用量が少ない月ほど実質単価が跳ね上がる。
省令は料金を3つに分けて通知するよう求めている
液化石油ガスの販売事業者が守る基準は、省令に書かれている。いま見た3つの項目は、その条文の区分とほぼ同じだ。次の引用は、液石法施行規則の第16条にある販売の方法の基準のうち、料金と設備費に関わる部分である。
十五の七 一般消費者等に対して液化石油ガスの供給に係る料金その他の一般消費者等の負担となる費用を請求するときは、当該費用を当該一般消費者等が消費した液化石油ガスの量にかかわらず生ずる費用及び当該量に応じて生ずる費用並びに消費設備の貸与等に係る費用に整理し、その料金その他の一般消費者等の負担となる費用の算定根拠を通知すること。
十五の八 一般消費者等に対し、消費設備に係る配管及び液化石油ガス器具等の設置等に係る費用以外の費用を消費設備の貸与等に係る費用として請求しないこと。
e-Gov法令検索で条文全体を見る /この法令の最終更新 2025-12-25
つまり販売事業者は、使用量にかかわらずかかる費用(基本料金に当たる部分)、使用量に応じてかかる費用(従量料金)、設備の貸与などの費用の3つに整理して請求し、その算定根拠を伝える義務を負う。検針票に内訳が書かれていない、説明を求めても出てこない、という場合は、この条文を根拠に販売店へ問い合わせられる。
契約を変えるとき、設備と配管はどうなるか
販売店を替えるときの不安は、設備の扱いだ。同じ第十六条は、解約の申し出があった場合の扱いも定めている。
十六 一般消費者等から液化石油ガス販売契約の解除の申し出があった場合において、当該一般消費者等から要求があった場合には、液化石油ガス販売事業者はその所有する供給設備を遅滞なく撤去すること。ただし、撤去が著しく困難である場合その他正当な事由があると認められる場合は、この限りでない。
十七 一般消費者等から液化石油ガス販売契約の解除の申し出があった場合において、消費設備に係る配管であって液化石油ガス販売事業者が所有するものについては、当該一般消費者等が別段の意思表示をする場合その他やむを得ない事情がある場合を除き、適正な対価で一般消費者等に所有権を移転すること。(当該配管の所有権が液化石油ガス販売事業者にある場合に限る。)
e-Gov法令検索で条文全体を見る /この法令の最終更新 2025-12-25
販売店の所有するガスメーターや貯槽などの供給設備は、求めれば遅滞なく撤去される。販売店の持ち物である配管は、「適正な対価」で買い取る形になる。いくらが適正かは契約書と販売店の説明で確かめる点で、ここは必ず書面で残しておきたい。
切り替え先の見積もりを取るには、現在の検針票の使用量と請求額が要る。複数社の見積もりを並べ、基本料金・従量単価・設備費の3点で比較する。値引きキャンペーンで始まる契約は、期間が終わった後の単価も聞いておく。
よくある質問
プロパンガスの料金に、全国共通の決まりはあるか。
実質単価はどう出すのか。
販売店を替えるとき、設備はどうなるか。
この記事が参照した一次情報
- 総務省統計局「消費者物価指数」(e-Stat・全国・2026年8月)(2026-10-03 取得)
- e-Gov法令検索「液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律施行規則」第16条(2026-10-03 取得)
数値は上記の公表資料から機械的に取得しています。 制度の適用可否は必ず公式サイトまたは窓口でご確認ください。